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スティーブン・キング「悪霊の島」読了
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スティーブン・キングの「悪霊の島」(原題:Duma Key)読み終えました。前半の主人公エドガーに降りかかる事故 --対側衝撃(カントラクー)-- 、リハビリ、鎮痛薬 -- オキシコンチン、 バイコディン -- など、自分の怪我で少しなじみがあるのか、すんなり入り込み(私は手術後、そんな強い鎮痛薬は飲んでませんが)、ワイアマンのスペイン語にのせられ、上巻の2/3を過ぎたところから一気呵成の勢いがつきました。しかし、ページをあまりに早く繰るのはもったいないのです。何度も復誦しつつ、ゆっくり静かにエンディングに向かいました。結論、この小説は出色の出来といっていいのではないでしょうか!! キング先生!! 。

そして何より、キング渾身のあのフライング技(掟破りの”事前予告”)、しっかりと受け止めさせていただきましたよ。そして、そこで僕の中で何かが確実に壊れました.........。
ココです↓

-下巻169p-
ふりかえって、わたしに手をふってくれたが、そのときにはもう曇りガラスごしにぼんやりと浮かぶ若い女らしい人影に過ぎなかった。いまとなれば、その姿をもっとよく見ておけばよかったと心の底から悔やまれる。というのも、それっきり会うことはなかったからだ。



タイミングをひとつ間違えれば全てが台無しになってしまう技だと思うのですが、ほぼ完璧ではないでしょうか。「ザ・スタンド」でも使われています。
ココです↓ スタンドの中でも最も好きなシーンのひとつです。


-V巻276p-
三人は歩き出した。そして彼らが○○○○・○○○○○○○とめぐりあうことは、以後二度となかった。



そんな風に予告されてしまうと、その登場人物の未来がもうわかってしまうのだけれど、そんな事前通告何のその!! 輝きが失われることはないどころか、さらに魂が吹き込まれるんですね。もう、ワイアマンではありませんが、”クソったれの馬鹿ったれ! ( Cojudo de puta madre ! )” です。

そして終了に近い第21章「月明かりの貝殻」はキングの作品のなかでも、その ” 悲しみ” の度合いでは傑出していますね。涙腺の弱い人は確実にやられそうな、素晴らしいとしか言いようのない文章群。単語の無限の組み合わせの中から、あのシーンへの最適解が提示されてると思います。というか、あれを”言語”で表現できる小説家はそれほど多くないと思います。僕はそのキングの小説家としての能力に感動し、思いました。やっぱりあのオッサンは、偉大なギフトを天から授かっているのは間違いないし、まだ枯れていないのだ..........(ただし、なぜ、それをダークタワーの最後で使わなかったのか、いまだに納得できませんけどネ......。無限の先の無限を、すべてをはねのける特異点を、およそイメージすることのできない10次元を超える複数次元を3次元の我々に手に取るようにプレゼンできる人はそのギフトを授かっている人しかできない御技なのだから...........)。

来月には↓ Under the Dome が出版されます。それまで、もう一度Duma Keyを原書とオーディオブックで味わうつもりです。特にワイアマンの台詞、スペイン語でどんな風に発音されてるのか、ものすごく気になるのであります。「おい、若造 (ムーチヤチョ)! 」以外にも。これはもうオーディオブックしかないでしょ。

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ちなみに ”ムーチャチョ” の発音は
http://www.merriam-webster.com/dictionary/muchacho

どちらかというと、ムチャーチョウ という感じになりますね。読んでいる時は、そのような感じで音をイメージしてました。また、このワイアマン、私は俳優のジェームズ・コバーンさんが真っ先に浮かび、それ以来、ずっーと彼で読み切りました。
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by takaortho | 2009-10-10 01:34 | スティーヴン・キング
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