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Bird's Shiesta-野鳥のお昼寝-
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Just After Sunset 夕暮れを過ぎて
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キングの文庫新刊「夕暮れを過ぎて」。久しぶりに待ちわびた彼の小説です。実は2007年初頭にようやく完結を見た「ダーク・タワー」の終わり方(第5部以降といったほうがいいかもしれませんが)に予想していたとはいえ、唖然、呆然、”そ、そ、、、っ、そんな〜〜〜〜〜! タミーー〜・ッフェイ~~~~~~~!!!!!!と言った感じで頭のネジが2、3本、ぶっ飛んでしまったのです。それから2年以上かかって、否認→怒り→取引→抑鬱→受容と進み、今日に辿りついた感じです。

この「夕暮れを過ぎて」にも収録されている「ハーヴィーの夢」はダークタワー完結後すぐ、まだ”怒り”のフェーズにいた頃に早川ポケットミステリの新刊にも出ていたので読んだことがあるのですが、ほんとおもしろくなかった。”キング、ダメだな、、、。”と思いつつ、”取引”フェーズへ。そして”これがおもしろかったらもう一度ダークタワー、見つめ直してもいいかな、、”と手を出した「セル」。最悪でした。これがトドメの一発になり、”抑鬱”段階へ。「セル」は数あるキング作品の中でも、私が読了できずに途中放棄した初めてのものです。

その後、”受容”へのきっかけとなったのは、映画「ミスト」と、ジョー・ヒルの「20世紀の幽霊たち」でした。「ミスト」はキングの「霧」という作品の映画化。フランク・ダラボンです。冒頭からガンスリンガーへのオマージュ?とも受け取れるシーンで目が離せなくなり、集団パニックでの人間の愚かさがどんどん出てくるにつれ、キング的なものへの反動が徐々に消失。ラストも納得。

ジョー・ヒルの「20世紀の幽霊たち」。短編集です。駄作から傑作まで玉石混淆としているというのが印象ですが、自分にとってベスト・オブ・マイフェイバリットと呼べるものに入れたくなるような作品が二編ありました。どこか懐かしさを感じさせる、あまりに現実離れしつつも、リアルな語り。キングが無性に読みたくなってしまいました(それにはちゃんとしたカラクリがあったのですが、ここでは詳しいことは書きません)。

そうやって”受容”フェーズに至ります。「夕暮れを過ぎて」に続いて「悪霊の島 」(原題:Duma Key)も来週には出ます。世の中、本と言えば「1Q84」が席巻してましたが、そんなもんですかね~。間違いなく、Haruki Murakami はノーベル賞取るでしょうがどうでもいいなあ~。それより、自分にとってはキングの創作能力の維持・保全は大丈夫なのか? っていうほうがよほど気になります。

PS
本日、久々にキングが自分の中でも動きはじめ、読んでおくべきだった本も見つけました。SFマガジン2008年六月号です。これに「消失点ー暗黒の塔」という論評が出ており、作者さんである藤田直哉氏のブログにも

”内容はスティーヴン・キングの大作『ダーク・タワー』を七部作後半から読み解くというもので、あの後半やラストが腑に落ちない方にお勧めです。なぜあんな結末や展開になったのかという謎に対するある種の解答を提示したつもりですので、お目汚しになるかもしれませんが、キングファン、『ダーク・タワー』ファンの皆様もよろしかったらご一読くださいませ。”

とあります。ならば読んでみようじゃありませんか!ということで、SFマガジンの昨年の六月号も発注です。
by takaortho | 2009-09-10 03:19 | スティーヴン・キング
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